Family Research Council(家庭調査協議会)
「In Focus」(1995年11月発表)より
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*この論文は、Pure Love Alliance-Japan(PLA-Japan)が翻訳しました。訳文文責はPLA-Japanにあります。
米国内の公立および私立学校における“家族生活”や性教育の授業の制度化により、これをテーマとするカリキュラムが必要とされるようになった。残念ながら、「Planned Parenthood(親となるために)」や「SIECUS」のような組織の広がりは、多くの教育委員会や親に「safe sex(安全な性交渉)」を教える以外に方法がないと考えさせるだけであった。しかし、実は「safe sex」よりも効果的に10代の妊娠や性感染症を減少させる方法がある――「自己抑制」である。この論文は、懸念を抱く教育委員会や親が、信頼できる自己抑制カリキュラムを選べるよう準備されたものである。
自己抑制は10代の若者の妊娠や性感染症を100%防ぐことができる唯一の手段である。「Center for Disease Control and Prevention(CDC:疾病管理予防センター)によると、それは望まない妊娠と性病に対する“最も効果的な解決方法”である。※1
自己抑制の効果を認識して、多くの州(テキサス、カリフォルニア、ワシントン、ペンシルバニア、イリノイ、インディアナなどを含む)は近年公立学校の性教育プログラムが自己抑制を基本とすることを明文化した法律を通過させた。※2そのうちの多くのプログラムが有望な結果をもたらした。
・カリフォルニア州サンマルコスのサンマルコス・ジュニアハイスクールは、ティーン・エイド社が開発した「Sexuality, Commitment, and Family(性、責任、家庭)」という自己抑制のみを教えるカリキュラムを採用した。このカリキュラムが実施される前の1年間には147人の少女が妊娠したと報告されていた。しかし、このプログラムの採用後から2年間で妊娠した少女はたったの20人であった。※3
・歴史的に、シカゴ郊外のクレストウッドにあるネイサンヘイル・ミドルスクールの第8学年(中学2年生)には多くの妊娠している少女がいた。学校が子供たちのために自己抑制プログラムの採用を決定した時、多くの大人たちは懐疑的であった。しかし、「Project Taking Charge(責任を引き受けるプロジェクト)」という質の高い自己抑制プログラムを3年間実施した後、3年連続で卒業生の中には妊娠する生徒が全くいなかった。※4
・「Best Friends(最良の友人)」という少女向けの自己抑制プログラムは優れた成功率を誇っている。「Best Friends」のワシントンD.C.支部では、プログラム開始以来妊娠した少女は400人中一人だけであった。「Best Friends」の責任者であるイレーン・ベネット氏によると、ワシントンD.C.の第5から9学年(小学5年生から中学3年生)の同規模のグループでは20人から70人の妊娠が当たり前だと言う。※5
・自己抑制を基本とするプログラムである「Sex Respect : The Option of True Sexual Freedom(性の尊重:真の性的自由の選択)」によって、このプログラムに参加した生徒は他のグループの生徒よりも著しく低い妊娠率をもつことが明らかになった。プログラムの実施後2年間で、プログラムに参加した女子生徒の5%と、プログラムに参加しなかった女子生徒の9%が妊娠した。※6
・エモリー大学の自己抑制を基本とする「Postponing Sexual Involvement(PSI=性体験をおくらせるために)」というカリキュラムは、若者に「どのようにNoと言うか」という技術習得練習をさせて自己抑制を教えている。このプログラムに参加した若者たちは、参加しなかった若者より5倍も性的に活発になりにくいことが明らかになった。※7
・責任について教える全国規模の代替カリキュラム「AANCHOR(An Alternative National Curriculum on Responsibility=責任に関する全米代替カリキュラム)」は、家族のつながりと10代の妊娠を防ぐための個人の責任を強調している。 ANNCHORのカリキュラムを使用した生徒と標準の学校カリキュラムを使用した生徒の間に、統計的に有意な3つの差異があることが明らかになった。 AANCHORに参加した生徒は、①より高度な家族的強さ…すなわち忠誠心、情緒的サポート、結合など、②性の価値や信条に関する両親とのより頻繁な対話、③婚前の性経験に対するより自己抑制的な態度、という点で顕著であった。※8
・自己抑制を基本とする「FACTS(事実)」カリキュラムに参加した生徒は、以下の点において著しい実験前後の変化を示した。①自己抑制の肯定、②性に対する寛容さの拒絶、③自己抑制に対するその後の方向づけと仲間同士のサポート。これらの個人的な意見に基づくデータは性行動を遅らせる上で重要な指針である。※9
適切な自己抑制カリキュラムを選ぶために、親と教育委員会委員はそのカリキュラムの焦点、方法、内容について研究すべきである。
自己抑制カリキュラムに対して関心が高まった結果、多くの避妊プログラムが数ある選択肢のひとつとして自己抑制に触れていることを理由に、みずからを「自己抑制を基本とした」、または、「自己抑制を加えた」、「包括的な」プログラムという枠組みに入れた。しかしながら、このようなプログラムは生徒に混乱したメッセージを伝え、それにより自己抑制のメッセージを甚だしく弱めているのである。これらの「包括的な」あるいは「自己抑制を加えた」プログラムのいくつかの共通した特徴は次のようなものである。①10代の若者は必然的に性的に活発だと仮定している。②避妊と中絶を強調する。③感情的な意思決定を含む(自己抑制を多くの選択肢の中のひとつとして提示している)。このように、10代の若者の性問題を扱う手段として、親と教育委員会はこれらの危険な点を避け、その代わり自己抑制を支持するカリキュラムを選ぶべきである。
性教育の題材を伝える方法は、自己抑制のメッセージに対する生徒の反応の仕方に重大な影響を与える。効果的な自己抑制プログラムは指示的手法をとる。オナリー・マグロー博士は著書「Foundation for Family Life Education(家族生活教育の基礎)」の中で、性教育の主な教授法モデルの総合的な分析をしている。※10
| 指示的 | 非指示的 |
|---|---|
| 自己抑制は自己管理を促進する肯定的なライフスタイルとして定義される。 | 自己抑制は避妊の手段のひとつとして教えられる。 |
| 性的権利と責任は単に個人的なものではなく、社会的必要性と道徳規範に連結している。 | 性に関する権利と責任は、「自律的」個人が自分で選択した価値観と授業から得た情報からみて、正しいと思う行動を選択する権利に基づく。 |
| 核心的価値は客観的に真実かつ善なるものとして教えられる。 | 核心的価値は本質的に主観的なものとして教えられる。 |
| 親の指導が不可欠である。 | 少数の親だけが子供を指導する意志を持つ。 |
| 教師は役割モデルであり指導者である。また明確な原則と指導を与える。 | 教師は情報を与え教室でのグループ進行をまとめる援助者である。 |
| すべての子供は、婚前の自己抑制を肯定する理論的根拠と、自己抑制的価値観の形成に対する親の高い期待を必要とする | 子供は早い段階で性的に活発になってきており、それを防ぐことはできない。 |
指示的な自己抑制教育は価値観と姿勢の重要性を強調する。これは米国教育庁の研究「The Role of Responsibility and Knowledge in Reducing Teenage Out-of-Wedlock Childbearing(10代の同棲による出産を減らすための責任と知識の役割」と一致する。この研究は「自分の人生をコントロールしていると強く感じ、教育に高く期待し、娘に対する関心と教育に対する高い期待を示す親を持つ若者は、10代で妊娠する確率が低い」ことを明らかにした。※11
さらに、学生たちは性行動に対して「No」と言うための助けを必要としている。エモリー大学が1,000人の性的に活発な女子学生を調査して10代の妊娠を減らすために何を学びたいか質問したところ、84%が「どのようにして相手の感情を害することなくNoというか(を学びたい)」と回答した。※12さらに、ローパー・スターチが「Sex Information and Education Council of the United States (SIECUS)」と共同で行った研究は、性体験を持つ10代の若者の54%が、もっと年をとるまで(性体験を持つのを)待つべきだったと感じていることが明らかになった。※13
性教育のカリキュラムはその内容が大きく異なる。親はそのカリキュラムが対象としている読者にとって必要以上にあからさまな情報や写真を含んでいないか、特に気を付けるべきである。たとえその性教育カリキュラムが広く使用されていたり、有名な組織によって保証されてたとしても注意すべきである。以下に例を挙げる。
・2万人の会員を持つ「National Education Association」(NEA)は受胎調節やホモセクシュアルを助長する性教育プログラムを奨励している。※14
・大きな影響力を持つ「Sex Information and Education Association of the United States(SIECUS)」は、「Guidelines for Comprehensive Sexuality Education: Kindergarten - 12th Grade(包括的性教育のガイドライン:幼稚園から高校3年まで)」というタイトルの広く使用されている“性教育目標”を発行している。このレポートは中絶、同棲、異性関係と等しい同性愛関係などを奨励している。※15
注記